JavaScriptで任意のテキストを追加する方法
はじめに
先日、このWEBサイトに珍しくまともな問い合わせがありました(スパムの問い合わせは沢山来ます)。
なんでも「JavaScriptを使って、あるClassの後ろに文字列を追加したい」みたいな内容でした。
CSSだけでもできるのですが、それだと「テキストが選択できないので~」とのこと。
問い合わせフォームを設置している割に昨今の個人情報の云々にシビアになっている私はそのメールに返信する事を躊躇しておりますが、頼られるとそれに応えたい性分なので、代わりにこのページでその方法を紹介することにしました。
願わくばその方がこのページを見てくれていたら良いなと思っています。
目次
CSSでテキストを「先頭」に追加する方法
さて、まずはCSSでテキストを追加する方法を紹介します。
CSSの場合「疑似要素」を使えばテキスト追加ができます。Class
の先頭であれば::before
を使えば良いです。
HTML
<p><span class="p-test01">HTMLで記述しているテキスト</span></p>
CSS
.p-test01::before { content: '【CSSで追加したテキスト】'; }
できあがったもの
HTMLで記述しているテキスト
Class
の先頭にテキストが追加されました。
CSSでテキストを「末尾」に追加する方法
同じく後ろにテキストを追加したい場合は::after
を使えば良いです。
HTML
<p><span class="p-test02">HTMLで記述しているテキスト</span></p>
CSS
.p-test02::after { content: '【CSSで追加したテキスト】'; }
できあがったもの
HTMLで記述しているテキスト
テキストが後ろ(閉じタグの直前)に追加されました。
疑似要素を使えばテキストの追加はCSSだけでできるのですが、この場合の問題点としてはお問い合わせにもあったとおりテキストがドラッグで選択できない点です。
JavaScriptでテキストを「先頭」に追加する方法
それでは今度はJavaScriptで文字列(テキスト)を追加する方法を紹介します。
今回のJavaScriptの処理の流れと要点については以下のとおりです。
- あるクラス(今回は
text_add_before
)の先頭に特定の文字列を挿入する - ID指定(
getElementById()
)だと同じページで複数使用できないので、getElementsByClassName()
を使用する
今回のように、任意の要素(今回はClass)に文字列(テキスト)を追加したい場合は、JavaScriptのinsertAdjacentHTML
メソッドを使います。
insertAdjacentHTMLメソッドの構文について
insertAdjacentHTML
メソッドは、任意のテキストを相対的な位置へ挿入できるメソッドです。
insertAdjacentHTML
メソッドは、第1引数に特定の値を記述し、第2引数に挿入したい文字列(テキスト)を記述します。
第一引数に指定する値の詳細は後述しています。
記述方法
JavaScriptでClass指定をする場合の注意点等については下記を参照して下さい。
実際に記述したHTMLとJavaScriptが以下です(CSSは一切設定していません)。
HTML
<p><span class="text_add_begin">HTMLで記述しているテキスト</span></p> <p><span class="text_add_begin">これもHTMLで記述しています</span></p> <p><span class="text_add_begin">HTMLで記述しています同様に</span></p>
JavaScript
let text_add_begin = document.getElementsByClassName('text_add_begin'); for( i=0; i<text_add_begin.length;i++) { text_add_begin[i].insertAdjacentHTML('afterbegin','【JavaScriptで追加したテキスト】') ; }
できあがったもの
果たしてテキストはドラッグで選択できるのでしょうか?
HTMLで記述しているテキスト
これもHTMLで記述しています
HTMLで記述しています同様に
JavaScriptでテキストの挿入ができました。また、挿入したテキストはドラッグで選択もできています。
JavaScriptでテキストを「末尾」に追加する方法
同じくHTMLテキストの後ろにテキストを挿入してみました。
後ろにテキストを挿入したい場合はinsertAdjacentHTML
メソッドの値をbeforeend
で設定します。
HTML
<p><span class="text_add_end">HTMLで記述しているテキスト</span></p> <p><span class="text_add_end">これもHTMLで記述しています</span></p> <p><span class="text_add_end">HTMLで記述しています同様に</span></p>
JavaScript
let text_add_end = document.getElementsByClassName('text_add_end'); for( i=0; i<text_add_end.length;i++) { text_add_before[i].insertAdjacentHTML('beforeend','【JavaScriptで追加したテキスト】') ; }
できあがったもの
HTMLで記述しているテキスト
これもHTMLで記述しています
HTMLで記述しています同様に
こちらもテキストが後ろに挿入され、ドラッグで選択できています。
insertAdjacentTextメソッドについての補足
insertAdjacentHTML
メソッドの第一引数に指定する値には以下の4種類があります。
insertAdjacentHTMLメソッドの値
値 | 挿入される位置 |
---|---|
beforebegin | 要素の直前(要素の外) |
afterbegin | 要素内の先頭 |
beforeend | 要素内の末尾 |
afterend | 要素の直後(要素の外) |
HTMLのソースを見ればそれぞれの値を指定した時、要素(span
)の内外に記述されているかが分かりそうな物ですが、JavaScriptで挿入されたテキストはソースには反映されていませんでした。
という訳で実際には違いがいまいち分かりにくかったので、一つテストをしてみました。
設定値のうちafterbegin
とbeforeend
は要素内に挿入されるので、要素のテキストカラーを変更するとこの2つのカラーも変更されるはずです。
一方で、beforebegin
とafterend
は要素の外に挿入されるため、要素のテキストカラーを変更しても影響を受けないはずです。
以上を踏まえて「span
タグ自体のテキストカラーをCSSで赤に設定すれば違いが分かるはず。」と思ってテストした結果がこちらです。
HTMLとJavaScriptをそれぞれ以下のように設定しています。
HTML
<p><span class="text_add_beforebegin">HTMLに記述したテキスト</span></p> <p><span class="text_add_afterbegin">HTMLに記述したテキスト</span></p> <p><span class="text_add_beforeend">HTMLに記述したテキスト</span></p> <p><span class="text_add_afterend">HTMLに記述したテキスト</span></p>
JavaScript
今回for
構文は外しています
let text_add_beforebegin = document.getElementsByClassName('text_add_beforebegin'); let text_add_afterbegin = document.getElementsByClassName('text_add_afterbegin'); let text_add_beforeend = document.getElementsByClassName('text_add_beforeend'); let text_add_afterend = document.getElementsByClassName('text_add_afterend'); text_add_beforebegin[0].insertAdjacentText('beforebegin','【beforebeginの場合】') ; text_add_afterbegin[0].insertAdjacentText('afterbegin','【afterbeginの場合】') ; text_add_beforeend[0].insertAdjacentText('beforeend','【beforeendの場合】') ; text_add_afterend[0].insertAdjacentText('afterend','【afterendの場合】') ;
できあがったもの
HTMLに記述したテキスト
HTMLに記述したテキスト
HTMLに記述したテキスト
HTMLに記述したテキスト
やはり予想通りの結果となりました。
恐らく実際のソース的にはこのようになっているはずです。
HTML(イメージ)
Class名の記述は省略しています
<p>【beforebeginの場合】<span>HTMLに記述したテキスト</span></p> <p><span>【afterbeginの場合】HTMLに記述したテキスト</span></p> <p><span>HTMLに記述したテキスト【beforeendの場合】</span></p> <p><span>HTMLに記述したテキスト</span>【afterendの場合】</p>
このようになりましたが、ご満足頂けているでしょうか。